昔は「大人になればアトピーは自然に治っていく。」
このように言われていたと思います。
私も子供の頃、その言葉を疑うことなく、大人になればアトピーは治るものだと思っていました。
しかし、実際はそうではなく、二十歳を超えても良くなるどころかどんどん悪化していきました。
どうして大人になっても治らないのか?
今回はその理由について考えてみました。
まずは参考に私のアトピー歴をご覧ください。
たきさんのアトピー歴
幼少期 | 生まれて間もなくアトピーの症状が出始める。 |
小学生の頃 | 「症状が出る→ステロイドを塗る→症状が消える→塗るのをやめるとまた症状が出る」これを繰り返していた。 |
中学生の頃 | アトピーは治まることはなく、ほぼ毎日ステロイドを塗るように。 |
高校生の頃 | 高校2年生の時、脱ステロイドを試みるも失敗。 |
大学生の頃 | ステロイドの使用量が増えていき、さらにワセリンを全身に塗るようになって保湿剤依存に。 |
20代前半 | 大学卒業後、アトピーはさらに悪化していき、日常生活に支障がでるほどになっていた。 |
26歳の時 | 脱ステロイドを決意。 兵庫県の近畿中央病院に入院し、佐藤先生に診ていただきながら、脱ステロイド・脱保湿を開始。約2か月で退院。 半年後、悪化して再入院。 |
20代後半 | 家で療養。3年間ほど引きこもり状態に。 29歳の時、ようやく働けるくらいに回復。 |
30代前半 | 就職して働き出す。 アトピーは悪くなったり良くなったりを繰り返し、仕事をするのが辛い時もあったが、なんとか続けていた。 |
34歳の時 | なかなか良くならないアトピーに精神的に疲れてしまい、仕事を辞める。 同年、北海道の豊富温泉に3週間湯治に行き、劇的に良くなる。 |
30代後半 | 地方へ移住。 35歳の時に再就職して、38歳の時に結婚。 アトピーは調子の波はあるものの、概ね良い状態を保つ。 |
40代前半(現在) | 41歳の時、会社を辞めて独立。 アトピーは今現在も安定して良い状態を保てている。 |
たきさんの詳しいプロフィールはこちら
大人になっても治らない人が増えている
厚生労働省の「患者調査」によると、2017年の全国のアトピー性皮膚炎患者数は、51万3,000人に上るそうです。
1987年の時は22万4,000人でしたから、ここ30年ほどで患者数は2倍以上になっています。
年々アトピー患者が増え続けていることがわかりますね。
私は今42歳ですが、20年以上前の高校生くらいの時、ステロイドの副作用について世間で話題になり始めました。
テレビなどでもけっこう取り上げられていたのを覚えています。
それまでは、大人になれば自然に治ると言われていました。
たしかに、私の親の世代は、アトピーの人があまりいなかったそうです。いたとしても、重症化することなく、自然に治っていったのかもしれませんね。
近年になって急激にアトピー患者が増えている原因は、食事の欧米化、大気汚染など様々なことが言われていますが、未だはっきりとしていません。
しかし、大人になっても治らない人が増えていることは間違いないです。
なぜ大人になってもアトピーが治らないのか?
大人になれば自然と治ると言われていたアトピーが、なぜ大人になっても治らず難治化してしまうのでしょうか。
その原因の一つとして、「ステロイド依存症」があると思います。
ステロイド依存症とは、長期にステロイドを使用することによってアトピーが難治化してしまい、止めることができない、止めると急激に大悪化してしまう状態を言います。
私はまさにこの症状になってしまい、10代後半から30歳頃までを棒にふってしまったと言っても過言ではありません。
結局ステロイドすら効かなくなってしまい、26歳の時に脱ステロイドをすることになります。
その時の様子はこちらの記事にまとめてありますので、良かったらご覧ください。
私が子供の頃(今から30年ほど前)は、ステロイドに副作用があるなんてことはまったく言われてなかったと思います。
皮膚科に行っても、診察はたった1・2分で、ただステロイドが処方されるだけでした。
薬の副作用の説明なんていっさいなかったですね。
しかも、ステロイドを体に塗れば次の日には治ってるんですから、何の疑いもなく毎日のように塗っていました。
26歳までずっと使っていたので、ステロイド歴は20年以上にもなります。
私のように子供の頃からずっと使用していた人はけっこういると思います。特に今30代・40代の人に多いのではないでしょうか。
今のようにステロイドの副作用の危険性についてあまり情報がなかったですからね。
もしあの頃、ステロイドの副作用を知っていたら長期使用はしなかっただろうし、ステロイド依存症にもならなかったと思います。
もしかしたら、難治化せずにとっくにアトピーが治っていたかもしれません。
そう考えると、とても悔しいですが、今さら悔やんでも仕方ありません。
今でも脱ステロイド治療をしている病院を除き、ほとんどの皮膚科はアトピーにステロイドを処方します。
使い方を間違えれば、元々軽いアトピーであった人が、重症になってしまうこともあり得ます。
今後少しでも私と同じような道を辿らないように、ステロイド依存症で苦しむ人が出ないように、私の経験をこのブログで発信していきたいと思います。
ステロイドの長期使用による体への影響
ステロイドを塗ると一時的に炎症が治まりますが、塗るのを止めればすぐに元に戻ってしまいます。
そのため止められなくなり、長期使用せざるを得なくなってしまう人が多いですよね。
では、ステロイドを長期使用すると体にどのような影響があるのでしょうか。
私が実際に経験して、特に感じたことをお伝えしたいと思います。
私は20年以上も使い続けてしまったわけですが、今感じることは、ステロイドを長期使用すると、人間が本来持っているはずの自然治癒力が機能しなくなってしまうのではないかということです。
アトピーでない人でも湿疹ができることはありますが、ほとんどの場合、何日か経てば自然に治っていくと思います。
しかし、アトピーでステロイドを長期使用していると、自分で治す力がなくなってしまい、いつまでも経っても治らなくなってしまうのです。
結局、ステロイドに頼ってしまうという悪循環に陥ります。
私もまさにそのようになってしまい、最終的にはステロイドが効かなくなるところまで使い続けてしまいました。
一度ステロイドに依存してしまうと、それを止めることは想像以上に大変です。
そして、止めたとしても失った自然治癒力を取り戻すには、めちゃくちゃ長い時間が必要です。(※ステロイドを使用していた期間や量にもよると思います。)
私の場合、脱ステロイドして5年くらい経って、ようやく自然治癒力が戻って来たと感じられました。
今脱ステロイドして15年ほど経ちますが、それでもアトピーは完治していませんから、ステロイドの長期使用による影響はまだ体に残っているのかなと思います。
ステロイドの体への影響は想像以上に長いです。
まとめ
今回は、大人のアトピーはなぜ治らないのか?ステロイドの長期使用による体への影響について、私の体験を交えて感じていることを書きました。
当記事をまとめます。
みなさんもやむを得ずステロイドを使用する場合は、依存症にならないように十分注意してください。
一度なってしまうと離脱するのは本当に大変ですので。
今回の記事がアトピーで苦しんでいる人のお役に立てればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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