前回は、脱ステロイド後アトピーはどのくらいの期間で良くなるのかということについて、私の1年目から3年目までの経過を記事にしました。
こちらの記事です。
私の場合、脱ステロイド後3年間はほとんど引きこもり状態でした。
それでも3年目なると徐々に良くなり始め、少しずつジョギングなど軽い運動をできるようになっていきましたね。
丸3年経った頃にはだいぶ良くなって、働こうと思えるほどになりました。
今回はその後、4年目から10年目までの経過について、私の体験談を書きたいと思います。
本当に辛い時期は脱していましたが、それでもいつ悪化するかわからないアトピーを抱えながら仕事をすることは、予想以上に大変でした。
参考に私のアトピー歴をご覧ください。
たきさんのアトピー歴
幼少期 | 生まれて間もなくアトピーの症状が出始める。 |
小学生の頃 | 「症状が出る→ステロイドを塗る→症状が消える→塗るのをやめるとまた症状が出る」これを繰り返していた。 |
中学生の頃 | アトピーは治まることはなく、ほぼ毎日ステロイドを塗るように。 |
高校生の頃 | 高校2年生の時、脱ステロイドを試みるも失敗。 |
大学生の頃 | ステロイドの使用量が増えていき、さらにワセリンを全身に塗るようになって保湿剤依存に。 |
20代前半 | 大学卒業後、アトピーはさらに悪化していき、日常生活に支障がでるほどになっていた。 |
26歳の時 | 脱ステロイドを決意。 兵庫県の近畿中央病院に入院し、佐藤先生に診ていただきながら、脱ステロイド・脱保湿を開始。約2か月で退院。 半年後、悪化して再入院。 |
20代後半 | 家で療養。3年間ほど引きこもり状態に。 29歳の時、ようやく働けるくらいに回復。 |
30代前半 | 就職して働き出す。 アトピーは悪くなったり良くなったりを繰り返し、仕事をするのが辛い時もあったが、なんとか続けていた。 |
34歳の時 | なかなか良くならないアトピーに精神的に疲れてしまい、仕事を辞める。 同年、北海道の豊富温泉に3週間湯治に行き、劇的に良くなる。 |
30代後半 | 地方へ移住。 35歳の時に再就職して、38歳の時に結婚。 アトピーは調子の波はあるものの、概ね良い状態を保つ。 |
40代前半(現在) | 41歳の時、会社を辞めて独立。 アトピーは今現在も安定して良い状態を保てている。 |
たきさんの詳しいプロフィールはこちら
脱ステロイド後4年目~6年目
3年間くらいずっと治らなかった肩の症状ですが、この頃になると気にならなくなるほどに良くなりましたね。
本当にこの肩の症状にはずっと悩まされ、一番酷かった時には滲出液が止まらなかったため、タオルを肩に当てながら過ごしていました。
何よりも辛かったのは、寝る時にどうしても仰向けになるので、肩にねまきがくっついてしまい気になって寝れなかったことですね。
もうずっと治らないのではないかと諦めてかけていたのですが、人間の自然治癒力とはすごいものですね。
ステロイドを塗らなくてもついに治りました。
脱ステロイド4年後の29歳の時、アトピーがかなり良くなったので、アルバイトを始めました。
まずはチラシ配りなどの日雇いの仕事から始めて、体調が悪化しないように様子を見ながら働いていました。
チラシ配りは気軽に始められるし、運動にもなって意外と良かったですよ。
日雇いの仕事であれば、悪化してもすぐに休めますからね。病み上がりに始める仕事としてはおすすめです。
少し働いてみて特に悪化することもなかったので、元々目指していた建築設計の仕事をするため、設計事務所でアルバイトをすることにしました。
最初の内は、アトピーが悪化することもなく、順調に仕事をしていました。
しかし、脱ステロイド後まだ3年しか経っていなかったためか、ずっと良い状態を保つことはできませんでしたね。
設計事務所に勤めだして、数か月後には悪化していたと思います。仕事をすることが辛い時もかなりありました。
一番辛かったのは滲出液がまた出始めたことですね。特に膝の裏が酷くなってしまって、ガーゼを当てサポーターを巻いて勤務していました。
それでも全身に広がっていくことはなかったので、なんとか続けることができていました。
このような感じで脱ステロイド後4年~6年目は過ぎていきました。
今考えると、家に引きこもっていた3年間を乗り越えて、仕事を始められたというのはとても大きな一歩だったと思います。
当時は必至に毎日を過ごしていて、本当にこの体は大丈夫なんだろうかといつも不安に思っていました。
しかし、ステロイドを使い続けていた20年間と明らかに違うのは、本当に少しずつですが、確実にアトピーは良い方向に進んでいたのだということです。
脱ステロイド後7年目~8年目
アトピーは相変わらず良くなったり悪くなったりを繰り返していましたね。
なかなか全身すっきりと症状がなくなることはなく、いつも体のどこかが悪化しているような状態が続いていました。
私の場合、酷くなりやすかったところは、膝や肘の間接や首でした。特に膝の裏側は、真っ赤になって滲出液が出ていることが多かったです。
この時はまだ建築設計事務所に勤務していたのですが、滲出液が出ている状態で会社に行って仕事をするのは、かなり辛かったですね。
かゆかったり痛かったりというのもあるのですが、特に精神的に落ち込んでしまうので、仕事を続けるのが大変でした。
また、なぜか手の平にも湿疹が出るようになりましたね。
小さなプツプツがたくさんできて(水疱のようなもの)、それが破けてじゅくじゅくになっていました。
パソコンを使う仕事だったので、マウスが持ちづらくて苦労していたのを覚えています。
ただ、この頃になると顔にはほとんど症状が出なくなっていました。
脱ステロイド直後、最も酷かったのが顔の症状だったのですが、アトピーであることがわからないくらいきれいになっていましたね。
そのため、なんとか仕事を続けることができていました。
今考えると、ステロイドをたくさん塗っていたところの治りが遅かったように思います。
膝や肘の間接や首は毎日のようにステロイドを塗っていた箇所でした。
やはり、アトピーの治りやすさにステロイドの使用期間や使用量の影響があるのだと思います。
脱ステロイド後9年目~10年目
脱ステロイド後、丸8年経ってもなかなかすっきりと良くならないアトピーに精神的に参ってしまい、5年間勤めた設計事務所を辞めました。
この時は、悪化した状態で仕事に行くことに疲れてしまって、一度ここで区切りをつけたいと考えての決断でした。
今考えれば、もう少し良く考えるべきだったのかなとも思います。
当時はもう30代半ばでしたので、辞めて次の仕事がすぐに見つかるのかという問題がありました。
それでも、辞めたいという気持ちが強く、それだけ精神的に追い込まれていたのだと思います。
仕事を辞めたのは脱ステロイド後9年目の3月のことです。
時間ができたので、その年の5月に以前から気になっていた北海道の豊富温泉に行くことにしました。
とにかく、日常生活に支障がないくらいにアトピーを治したいと考えて、藁にもすがるような思いで北海道の北の果てに行くことを決心しました。
この時の症状は、脱ステロイド直後のように寝たきりになるような状態ではありませんでしたが、それでも常にかゆみや炎症に悩まされて、なかなか普通の生活を送ることができない状態でしたね。
私にとってこの豊富温泉に湯治に行ったことが、人生の一つの転機だったように思います。
結果から言うと、アトピーが劇的良くなりました。
詳しい内容は別記事に書いてありますので、良かったご覧ください。
今までの苦労は何だったのかというほどに良くなったのです。しかも、たった3週間の滞在で。
豊富温泉がアトピーに良く効くということはネットなどでも有名ですが、私にも効果抜群でした。
自宅に戻っても良い状態を保つことができました。
その半年後、脱ステロイド10年を迎えるのですが、私の場合、10年経ってようやくアトピーが気にならないくらいの状態になることができましたね。
もちろん、時々の悪化はありますが、日常生活に支障がないくらいに良くなりました。
私はステロイド使用歴20年以上でしたが、ここまで来るのに半分の10年が必要だったということなのかもしれません。
まとめ
今回は、脱ステロイド後アトピーはどのくらいの期間で良くなるのかということにについて、私の脱ステロイド4年目から10年目の体験談を記事にしました。
私が今現在脱ステロイドで苦労されている方にお伝えしたいことは次のことです。
私は脱ステロイドをしてもう何年も経っているのに、なんで自分のアトピーは一向に良くならないのだろうと思っていました。
気持ちばかり焦っていつもイライラしていました。
今なかなか良くならなくて困っている人でも、ステロイドに戻らなければ、必ず良くなる日がやってきます。
諦めずに、時には力を抜いて、今はまだもう少し時間が必要なんだと気楽に構えるくらいがいいのかもしれません。
今頑張られている方々が一日も早く良くなることを祈っております。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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脱ステロイド後11年から16年目(現在)までの経過の記事です。
この頃になってやっとアトピーのことを忘れるくらいの状態になることができました。
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