アトピーで脱ステロイド・脱保湿の入院すると一体どんな治療をする?
入院期間はどのくらい必要なの?
そんな疑問をお持ちの方、けっこう多いのではないでしょうか。
私は26歳の時、脱ステロイド・脱保湿治療で有名な近畿中央病院の佐藤先生のもとに2回入院しました。
今回は、私が近畿中央病院に入院した時の体験談を記事にしたいと思います。
※ただし、私が入院したのは約16年前なので、かなり古い情報になります。
今現在も阪南中央病院で脱ステロイド・脱保湿入院ができるようですが、私が入院した時とは異なっていることもあると思われますのでご注意ください。
参考に私のアトピー歴を記します。
たきさんのアトピー歴
幼少期 | 生まれて間もなくアトピーの症状が出始める。 |
小学生の頃 | 「症状が出る→ステロイドを塗る→症状が消える→塗るのをやめるとまた症状が出る」これを繰り返していた。 |
中学生の頃 | アトピーは治まることはなく、ほぼ毎日ステロイドを塗るように。 |
高校生の頃 | 高校2年生の時、脱ステロイドを試みるも失敗。 |
大学生の頃 | ステロイドの使用量が増えていき、さらにワセリンを全身に塗るようになって保湿剤依存に。 |
20代前半 | 大学卒業後、アトピーはさらに悪化していき、日常生活に支障がでるほどになっていた。 |
26歳の時 | 脱ステロイドを決意。 兵庫県の近畿中央病院に入院し、佐藤先生に診ていただきながら、脱ステロイド・脱保湿を開始。約2か月で退院。 半年後、悪化して再入院。 |
20代後半 | 家で療養。3年間ほど引きこもり状態に。 29歳の時、ようやく働けるくらいに回復。 |
30代前半 | 就職して働き出す。 アトピーは悪くなったり良くなったりを繰り返し、仕事をするのが辛い時もあったが、なんとか続けていた。 |
34歳の時 | なかなか良くならないアトピーに精神的に疲れてしまい、仕事を辞める。 同年、北海道の豊富温泉に3週間湯治に行き、劇的に良くなる。 |
30代後半 | 地方へ移住。 35歳の時に再就職して、38歳の時に結婚。 アトピーは調子の波はあるものの、概ね良い状態を保つ。 |
40代前半(現在) | 41歳の時、会社を辞めて独立。 アトピーは今現在も安定して良い状態を保てている。 |
たきさんの詳しいプロフィールはこちら
脱ステロイド・脱保湿入院はどんな治療をするの?
私が入院した時は、主に下記のようなことをやっていました。
- ステロイド・保湿材を一切使用しない
- 1日2回の診察
- 水分摂取制限
- 毎日石鹸を使用してシャワーを浴びる
- 適度な運動
一つずつもう少し詳しく書いていきたいと思います。
ステロイド・保湿剤を一切使用しない
これはもう言うまでもないですね。脱ステロイド、脱保湿のための入院ですから。
私の場合、入院初日から早速、脱ステロイド、脱保湿をしました。
恐らくアトピーの入院患者はほとんどの人が同じだと思います。
脱ステロイド、脱保湿をするにあたって、いつもそばに専門の先生や看護師さんが居るというのは本当に心強いです。
私は一度高校生の時に脱ステロイドを失敗していますからね。入院しなければ、恐らくまた失敗していたでしょう。
入院による脱ステロイドの一番のメリットはこの安心感だと思います。
入院する場合としないの場合の違いは、この精神面が最も大きいのではないでしょうか。
私は脱ステロイドは絶対専門の医師に診てもらいながらするべきだと思います。
自分の判断だけで行うのは、とても危険ですし、途中で挫折してしまう可能性が高いからです。
1日2回の診察
私が入院していた時は、朝と午後の2回、先生が診察をしてくれました。毎日体の状態を診て、アドバイスをしてもらえました。
やはり、毎日先生に診てもらえるというのは、とても助かります。
不安に思っていることや質問したいことをすぐに聞くことができますからね。
私は脱ステロイド後のリバウンド症状が酷かった時、先生に診てもらって話をすることによって、気持ちがだいぶ楽になったのを良く覚えています。
また、眠れない時は睡眠導入剤を処方してもらったりしていましたよ。
水分摂取制限
脱ステロイドしてリバウンド症状が出ている時には、必要最低限の水分以外は、極力取らないように指導されます。
これは、体から出る滲出液をなるべく少なくするためです。
水分を取り過ぎると、滲出液が多く出てしまって、傷の治りが遅くなってしまうそうです。
なのでリバウンド症状が出ている時、できる限り水分を取らないように注意しました。
ただ、不思議と通常時より喉が渇くんですよね。この喉の渇きを我慢するのが、かなり大変でした。
入院して2週間くらいは悩まされましたね。リバウンド症状が治まってくると、喉の渇きも治まっていきました。
この水分制限はかなり有効だったようで、私は入院中のリバウンド症状時、それほど滲出液が出なかったと思います。
高校の時に脱ステロイドを失敗した時は、水分制限をしていなかったためか、かなりの滲出液がありました。
滲出液を少なくできるということは、リバウンド症状を乗り越える上で、ものすごく助かるし、重要なことだと思います。
ちなみに、ヨーグルトやアイスなどの固形物も水分の内に含まれるので注意が必要です。
毎日石鹸を使用してシャワーを浴びる
入院中は毎日、石鹸を使用してシャワーを浴びるように指導されます。患部をきれいに保ち細菌感染を防ぐためです。
滲出液が出て固まっているところも、無理に剥がさないようにやさしく洗い流していました。
症状が悪い時、シャワーを浴びるのはとても辛いですが、体を清潔に保つために頑張って浴びていました。
リバウンド症状が出ている時のシャワー後は、体中が乾燥して、1・2時間ベッドから動くことができませんでしたね。
それでも、症状が良くなって来るにつれて、シャワー後の乾燥がだんだんと軽減していきます。
使用していた石鹸は、こちら牛乳石鹸の青箱です。
保湿成分のある石鹸は使用しないようにとのことでした。
また、落屑が酷い時は石鹸を使用しない方が良い場合もあるそうです。石鹸の成分が皮膚に残ってしまい痒みが出てしまうこともあるので。
私の場合、毎回石鹸を使ってシャワーを浴びていましたが、特に問題はありませんでした。
適度な運動
入院中、無理のない範囲でウォーキングなどをして、なるべく体を動かすようにしていました。
適度な運動をすることによって、新陳代謝が促進され、回復も早くなると考えられます。
私は入院してから2週間ほど、脱ステロイドによるリバウンド症状で、ほぼ寝たきりになっていました。
3週間くらい経ったあたりから、だんだんと回復し始め、体を動かせるようになっていきましたね。
それからは、積極的に体を動かすように心がけました。
まずは、病院内をうろうろ歩いたりして、慣れてきたら外出届を出して、病院の周辺を散歩したりもしました。
私の場合、顔にも症状が出ていたので、帽子をかぶりマスクをして外出していましたね。
かなり怪しい人に見えていたと思います。(笑)
外に出れるくらい回復すると、辛い入院生活の中でも気晴らしができるようになるので、精神的にはだいぶ楽になってきます。
入院期間はどのくらい?
入院期間は、ステロイドの使用歴などによって人それぞれ異なります。
数週間で退院する人もいれば、数か月、半年以上入院している人もいたと思います。
基本的に、脱ステロイド時の辛いリバウンド症状を乗り越えるまで入院させてもらい、ある程度症状が落ち着いたら退院、その後自宅で療養するということになります。
リバウンド症状の期間も、ステロイド使用歴などによって異なりますね。
一般的に使用歴が長い方が、やはりリバウンド症状も長いと思います。
私は2回入院しているのですが、入院期間は1回目が2か月、2回目は1か月ほどでした。
ステロイド使用歴が20年以上と非常に長かったのですが、2か月程度で退院できたのは、ラッキーだったのかもしれません。
ただ、退院後3年以上はずっと悪い状態が続いたので、やはりステロイドを長く使えば使うほど治りにくくなるんだと思います。
まとめ
今回は脱ステロイド・脱保湿入院時の治療方法、入院期間について、実際に2度、近畿中央病院に入院した時の体験を記事にしてみました。
今回の記事をまとめます。
以上のように、近畿中央病院での入院生活は、何か特別な治療をするわけではありませんでした。
しかし、精神的な部分をサポートしてもらえたことは、とても心強かったし、脱ステロイド時には重要なことであると思います。
私は今でも入院していなかったら、脱ステロイドに成功していなかったのではないかと思います。
今回の記事が少しでもアトピーで苦しんでいる人のお役に立てればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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