脱ステロイドをしたとして、いったいどのくらいの期間でアトピーが良くなるのか?
脱ステロイドをしようか迷っている人は、とても気になることだと思います。
結論から言ってしまうと、人それぞれではっきりと何か月、何年経てば良くなると断言することはできません。
その理由の一つとして、ステロイドの使用期間や使用量の影響があると言われています。
一般的には、使用期間が長く、使用量が多いと脱ステロイドしてから良くなるなるまでの期間が長くなるようです。
私の場合、ステロイド使用歴が20年以上ととても長かったため、脱ステロイド後何度も悪化を繰り返し、回復にかなり時間がかかりました。
今回は、脱ステロイド後アトピーはどのくらいの期間で良くなるのかということについて、私の体験談を記事にしたいと思います。
参考に私のアトピー歴をご覧ください。
たきさんのアトピー歴
幼少期 | 生まれて間もなくアトピーの症状が出始める。 |
小学生の頃 | 「症状が出る→ステロイドを塗る→症状が消える→塗るのをやめるとまた症状が出る」これを繰り返していた。 |
中学生の頃 | アトピーは治まることはなく、ほぼ毎日ステロイドを塗るように。 |
高校生の頃 | 高校2年生の時、脱ステロイドを試みるも失敗。 |
大学生の頃 | ステロイドの使用量が増えていき、さらにワセリンを全身に塗るようになって保湿剤依存に。 |
20代前半 | 大学卒業後、アトピーはさらに悪化していき、日常生活に支障がでるほどになっていた。 |
26歳の時 | 脱ステロイドを決意。 兵庫県の近畿中央病院に入院し、佐藤先生に診ていただきながら、脱ステロイド・脱保湿を開始。約2か月で退院。 半年後、悪化して再入院。 |
20代後半 | 家で療養。3年間ほど引きこもり状態に。 29歳の時、ようやく働けるくらいに回復。 |
30代前半 | 就職して働き出す。 アトピーは悪くなったり良くなったりを繰り返し、仕事をするのが辛い時もあったが、なんとか続けていた。 |
34歳の時 | なかなか良くならないアトピーに精神的に疲れてしまい、仕事を辞める。 同年、北海道の豊富温泉に3週間湯治に行き、劇的に良くなる。 |
30代後半 | 地方へ移住。 35歳の時に再就職して、38歳の時に結婚。 アトピーは調子の波はあるものの、概ね良い状態を保つ。 |
40代前半(現在) | 41歳の時、会社を辞めて独立。 アトピーは今現在も安定して良い状態を保てている。 |
たきさんの詳しいプロフィールはこちら

脱ステロイド後1年目
私は入院して脱ステロイドをしました。
2か月間入院 → 3か月間ほど自宅療養 → 悪化して1か月間再入院 → 自宅療養
脱ステロイド後半年間はこのような経過をたどりました。
とにかく体調が安定しなかったですね。最初の入院で奇跡的にかなりアトピーが良くなったのですが、その2か月後くらいには再悪化。
その後、再入院しなければならないほどに悪化してしまいました。
脱ステロイドしてから間もない時期というのは、皮膚がまだまだ弱く、少し良くなってもすぐに悪化してしまいます。
特にステロイド使用歴が長ければ長いほど、悪化の程度も大きいし、安定しない傾向があると思います。
私はステロイド使用歴が20年以上でしたので、今考えれば安定するはずもありません。
脱ステロイド後半年間は、凄まじい悪化に耐える日々が続きましたね。
私の場合、リバウンド症状が2回あったように思います。
1回目はステロイドの使用を一切止めた直後、この時は1か月くらいで治まっています。
そして、2回目はその3か月後くらいです。この時も1か月くらいで治まっていますね。
いずれも近畿中央病院の佐藤先生の元に入院して乗り越えました。入院していなければもっと長引いていたかもしれません。
リバウンド症状など本当に酷くて辛い時期を入院して乗り越えることは、非常に有効な手段だと思います。
ここを乗り越えられれば、脱ステロイドの成功率はぐんと上がるんだと思います。
2度目の入院で状態は良くなったのですが、自宅に戻るとまた悪化してしまいましたね。
そんなことで、脱ステロイド1年目はまったく体調が安定せず、めちゃくちゃ辛い状態が続いていました。
入院時の体験談は別記事にいろいろまとめてありますので、良かったらご覧ください。

脱ステロイド後2年目
2年目に入っても状態は相変わらず不安定でした。
症状は全身に出ていて、皮膚の赤みがありカサカサ、手や足の間接からところどころ浸出液がでているような状態でした。
落屑もかなりありましたね。ただ、脱ステロイド直後のような激しい落屑ではなく、細かい皮が剥けているような感じになっていた思います。
私の場合、症状が最も酷かったのは肩の部分でした。なぜ肩が一番酷かったのか今でも不思議ですね。ステロイドを塗っていた部分ではなかったので。
両肩とも赤く少し腫れて、患部が盛り上がっているような感じになっていて、滲出液が出ていました。痒みもかなり強かったです。
この肩の症状が非常に厄介で、夜寝る時に肩から出てくる滲出液でねまきが肩に貼りついてしまうのです。これが気になってあまり眠れなかったのを良く覚えています。
また、喉の渇きも酷くて大変でした。これは脱ステロイド後ずっと続いていましたね。
近畿中央病院の佐藤先生(現 阪南中央病院)の脱ステロイド・脱保湿治療には、浸出液を抑えるため水分摂取制限というのがあります。
この頃、私はまだまだ滲出液が出ていましたので、なるべく水分を取り過ぎないように注意しました。これが地味に辛かったですね。
この喉の渇きですが、症状が良くなって滲出液が出なくなると、自然と治まっていきます。確か私が喉の渇きを感じていたのは、2年目くらいまでだったと記憶しています。
脱ステロイド後3年目
3年目に入ると症状が少しずつ良くなっていきました。
明らかに回復の兆しを実感できたのは、この頃だったかもしれません。ようやく自分にも夜明けが来たような感じですね。
痒みや乾燥は相変わらずでしたが、滲出液はほとんど出なくなり、もう1日寝たきりになるようなことはなかったです。
全身に出ていた皮膚の赤みも、この頃になると部分的になっていったと思います。
最も酷かった肩の部分については、本当になかなか治らなくて困っていましたが、こちらも少しずつ治っていきました。
この肩の症状は、治るまでに丸3年はかかりましたね。当時はもう治らないのではないのかとさえ感じていました。
3年という期間は今も思うと、とてつもなく長く感じられましたね。
脱ステロイドの辛いところは、良くなるまでにものすごく時間がかかるところではないでしょうか。
本当に年単位で見ていかないと、良くなっているのかどうかわかりません。
特にステロイド使用歴の長い人はそうだと思います。
もちろん途中で悪化することなんて何度もあります。それでも私はステロイドに戻ろうと考えることは一度もありませんでした。
佐藤先生の治療法を信じていたし、ステロイドでアトピーが根本的に良くなることはないとわかっていたからです。
私には脱ステロイドしかないと心に決めて、それがブレることはありませんでした。
まとめ
今回は、脱ステロイド後アトピーはどのくらいの期間で良くなるのかということについて、私の1年目から3年目までの経過を記事にしてみました。
あくまで私の場合であって、もちろん全ての人に当てはまるわけではありません。
もっと早く良くなる人もいれば、良くなるまでに5年、10年かかる人もいると思います。
私が脱ステロイドを体験して感じたことで、みなさんに特にお伝えしたいのは次のことです。
脱ステロイドして状態が悪い時は、一生この状態が続くのではないか、終わりが見えないと感じてしまうものです。私もそうでした。
しかし、諦めなければ、必ず良くなる日はやってきます。
この記事が少しでもアトピーで苦しんでいる人のお役に立てればうれしいです。
最後までいただきありがとうございます。
関連記事です。
今回の記事の続きになります。脱ステロイド後4年から10年目までの症状についてまとめてあります。

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